海洋散骨は業者に依頼せず、個人でも行うことができます。ただし、法律やマナーを守らないとトラブルになる可能性があるため、しっかり準備をすることが重要です。
この記事では、個人で海洋散骨を行う具体的な方法や注意点、必要な準備について詳しく解説します。
海洋散骨の法的ルールとマナー

法律のポイント(日本の場合)
海洋散骨は**「節度をもって行えば違法ではない」**とされていますが、以下の点に注意が必要です。
散骨は葬送の儀式として行うこと(単なる遺棄と見なされると違法)
遺骨は必ず粉骨し、2mm以下にするのが望ましい(形が残ると問題になることがある)
公共の場や他人に迷惑をかける場所では行わない
マナーのポイント
漁場や海水浴場の近くでは行わない(漁業関係者からの苦情を避けるため)
他の船が多い場所では控える(他の人に配慮するため)
生花はOKだが、造花やプラスチック製品はNG(環境保護のため)
個人で海洋散骨を行う具体的な手順
① 遺骨の準備(粉骨)
なぜ粉骨が必要なのか?
粉骨しないと遺骨がそのまま残り、問題になることがある
海に撒いたときにスムーズに溶ける
粉骨の方法
■自分で粉骨する場合
乳鉢やすり鉢を使って細かくする
ミルや粉砕機(コーヒーミルなど)を使用する
すべて2mm以下の細かい粒子にする
粉骨した遺骨を水溶性の袋(和紙など)に入れると撒きやすい
■業者に粉骨を依頼する場合
10,000円~30,000円程度で粉骨してくれる業者がある
手元供養用に「分骨」することも可能
② 散骨する場所の選定
適切な散骨場所を選ぶことが重要です。
適した場所
- 沿岸から5km以上沖合いの海(法律的・マナー的に望ましい)
- 漁業区域や航路を避けたエリア
- 静かな海域(波が穏やかで、船の往来が少ない)
避けるべき場所
❌ 海水浴場や観光地の近く
❌ 港の周辺や漁業区域
❌ 他の船が多く往来する場所
場所選びのポイント
地元の自治体や漁業組合に確認する(散骨が可能かチェック)
Googleマップや海図を活用して、適切なポイントを探す
船をチャーターする場合は、業者に相談するとスムーズ
③ 船の手配方法
海洋散骨を行うには、沖合まで行ける船が必要です。
船を手配する方法
レンタルボートを借りる(操船免許が必要)
知人の船を借りる
散骨用に船をチャーターする(業者に依頼)
船をチャーターする場合の相場
貸切チャーター:50,000円~150,000円
乗合便(合同散骨):30,000円~50,000円
船を使わずに散骨できる?
浜辺や岩場から散骨するのはNG(法律的に問題になる可能性あり)
必ず海の沖合いで行うのがルール
④ 散骨の実施方法
実際の散骨の流れ
天候・波の状況をチェック(穏やかな日を選ぶ)
沖合いへ移動(5km以上沖が望ましい)
粉骨した遺骨を撒く(風向きに注意)
献花・献酒をする(生花やお酒を海に捧げる)
黙とう・祈りの時間を持つ
散骨後、GPSで位置を記録する(供養の目安にできる)
■水溶性の袋を使うと遺骨が散りやすい
■花を撒く場合は「生花のみ」(造花やプラスチック製品は環境汚染になる)
■酒やお茶を海に注ぐのも一般的
⑤ 散骨後の供養方法を考える
海洋散骨を行った後も、供養を大切にしたい場合は以下の方法があります。
- 手元供養(ミニ骨壷・ペンダントなど)
- 法要を定期的に行う(命日や記念日に海へ訪れる)
- 「海が見える場所」にメモリアルスポットを作る
個人で海洋散骨をする際の注意点まとめ
- 遺骨は必ず粉骨する(2mm以下にする)
- 散骨場所は沖合い(5km以上沖が望ましい)
- 船の手配をしっかり行う(レンタルorチャーター)
- 漁業区域や観光エリアでは行わない
- 散骨後の供養の方法も考えておく
まとめ
個人で海洋散骨を行う場合、法的ルールやマナーを守り、適切な準備をすることが大切です。
特に「粉骨」「散骨場所の選定」「船の手配」が重要なポイントになります。
可能であれば専門業者に相談するのも選択肢の一つです。
しっかり準備をして、トラブルなく故人を海へと送り出しましょう。