海洋散骨が巷で話題になっていますが、実は海洋散骨ディレクターというお仕事が注目されつつあります。
今回は海洋散骨ディレクターとは何か、役割、資格、需要や今後の展望について詳しく解説します。
海洋散骨ディレクターとは

海洋散骨ディレクターは、故人の遺骨を海に散骨する際に、計画の立案から実施、アフターサポートまでをトータルでサポートする専門家です。
散骨のマナーや法律、環境保護に配慮しながら、遺族の意向に沿った適切な散骨を行う役割を担います。
海洋散骨ディレクターの役割
相談・カウンセリング
遺族の希望を丁寧にヒアリングし、以下の内容を説明・提案します。
海洋散骨の種類(個別散骨、合同散骨、委託散骨など)
法律やルールの説明(日本の法律では散骨が墓地埋葬法に違反しないことを確認)
環境に配慮した散骨の方法
散骨場所や時期の決定
手続き・準備
海洋散骨を行うためには、以下の準備が必要です。
埋火葬許可証の確認(火葬後に発行される証明書)
遺骨の粉骨(パウダー化)(散骨には2mm以下の粉末状にすることが推奨)
遺族の送迎や宿泊手配(散骨場所が遠方の場合)
散骨証明書の発行(後日、実施場所と日時を記載した証明書を発行)
散骨プランの提案・手配
散骨にはさまざまな方法があり、ディレクターは遺族に適したプランを提案します。
チャーター散骨(貸切船で遺族のみが参加し、故人を見送る)
合同散骨(他の家族と合同で散骨を行う)
委託散骨(遺族の代わりに業者が散骨を行う)
空中散骨(セスナやヘリコプターを利用して空から散骨する)
散骨実施のサポート
散骨当日は、遺族の精神的なサポートも含め、セレモニーを円滑に進めます。
海上での進行(献花、黙祷、音楽演出など)
環境に配慮した方法での散骨
記念撮影や映像記録の提供(希望者のみ)
アフターサポート
散骨後も、遺族が安心できるようサポートを提供します。
散骨証明書の発行
散骨場所の地図や記録の提供
年忌供養やメモリアルクルーズの手配
海洋散骨ディレクターになるには
関連資格の取得
現在、日本には「海洋散骨ディレクター」という国家資格はありませんが、民間団体が認定する資格があります。
日本海洋散骨協会(JOSA)認定の「海洋散骨アドバイザー資格」
一般社団法人海洋散骨協会の「海洋散骨士」資格
船舶免許の取得(必要に応じて)
自ら船を操縦して散骨を行う場合、小型船舶操縦士免許が必要です。
小型船舶操縦士1級・2級(業務内容に応じて取得を検討)
葬儀業界や海洋散骨業者での経験
葬儀業界や海洋散骨を行う会社での実務経験があると、実践的な知識が身につきます。
法律や環境保護の知識
墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)の理解(遺骨は「墓地に埋葬」するのが基本だが、散骨は節度を持って行えば違法ではない)
海洋環境保護法(プラスチックや不溶性の物を海に捨てることは禁止)
海洋散骨ディレクターの需要と今後の展望
少子高齢化や墓じまいの増加により、海洋散骨の需要は年々高まっています。
特に都市部ではお墓を持たない選択肢として散骨を希望する人が増加。
環境保護の観点から、よりエコフレンドリーな散骨方法が求められる傾向にある。
まとめ
海洋散骨ディレクターは、故人を海へと見送る大切な役割を担う専門家です。散骨に関する知識や法律、マナーを熟知し、遺族の心に寄り添いながら適切なサポートを提供します。
今後さらに需要が高まる職業のため、興味がある方は資格取得や実務経験を積むことで、キャリアとして確立することが可能です。