海洋散骨は、近年増えている供養の方法ですが、適切に行わないと法的・心理的・社会的なトラブルにつながることがあります。ここでは、具体的なトラブル事例とその対策について詳しく解説します。
法律・マナー違反によるトラブル事例

①粉骨せずに散骨してしまった
遺骨の形がはっきり分かる状態で散骨すると、「遺骨遺棄罪」(刑法190条)に問われる可能性があります。
②散骨場所のルールを守らなかった
漁業関係者や観光業者から苦情が入ることもあります(特に漁場や観光地の近く)。
③散骨を禁止しているエリアで実施
自治体によっては、条例で散骨が制限されている地域があります。
続いて、法律、マナー違反によるトラブルの対策を見ていきましょう。
対策
上記のような対策を行えば、法律やマナー違反でのトラブルは防ぐことができます。
続いて、海洋散骨における遺族間のトラブルについても見ていきましょう。
遺族間のトラブル(家族の意見対立)

①生前の希望を聞いていなかった
「本当に故人は散骨を望んでいたのか?」と後になって意見が分かれることがあります。
②一部の親族が勝手に散骨を決定
遺族の誰かが勝手に散骨を進めてしまい、「相談してほしかった」と不満が出ることがあります。
③「やっぱりお墓を作りたかった」と後悔
散骨後に「供養の場がなく寂しい」と感じることもあります。
遺族間のトラブルを回避するための対策はこちらです。
対策
次に、葬儀業者とのトラブルを解説します。
業者とのトラブル

①契約後に追加費用を請求された
「オプションが必要」などと後から高額請求されるケースがあります。
②散骨後の証明がもらえない
どこで散骨されたのか分からない、適切に処理されたか不安になるという口コミもあります。
③遺骨の扱いが雑だった
「粉骨の際に雑に扱われた」「遺骨をなくされた」などの報告もあります。
業者とのトラブルを回避するための対策はこちらです。
対策
続いて、散骨後の後悔や心理的なダメージに関するトラブルを解説します。
散骨後の後悔や心理的なダメージに関するトラブル

①「お墓がないと寂しい」と感じる
散骨後、遺骨が手元になく寂しくなる人もいます。
②親族が供養の場を求める
「お墓参りのように、手を合わせる場所がほしい」と後から思う人が出ます。
③供養をどう続けていくか不安になる
海に散骨した後、供養の方法が分からず戸惑うこともあります。
散骨後の後悔や心理的ダメージについてのトラブルを回避するための対策はこちらです。
対策
最後に、散骨後の後悔や心理的なダメージに関するトラブルを解説します。
周囲からの理解が得られないことに関するトラブル

①親族・友人から「散骨なんて非常識」と言われる
まだ一般的でない地域もあり、否定的な意見を持つ人もいます。
②「供養にならない」と宗教的な反発がある
宗教や家の慣習によっては、墓地埋葬を重視するケースもあります。
対策
まとめ
海洋散骨を行う上で、トラブルを回避するためには以下のことに注意すると良いでしょう。
🔹 事前準備をしっかり行う(法律・マナーを守る)
🔹 親族全員で話し合い、合意を得る
🔹 信頼できる業者を選び、契約内容を確認する
🔹 手元供養など、後悔しない方法を考える
🔹 散骨後も供養を続ける方法を用意する
海洋散骨は自由な供養の形ですが、しっかり準備しないとトラブルに発展することもあります。
事前にしっかり話し合い、後悔のない選択をしましょう。