なぜ「海里」が海洋散骨で重要なのか?
海洋散骨を行う際、多くの方が気になるのが「どこまで沖に出ればいいのか?」という点。
その基準を示す単位が「海里(かいり)」です。
この記事では、「海洋散骨は何海里沖で行うべきか?」という疑問に対し、法律・慣習・実務の観点から詳しく解説します。
◎この記事でわかること◎
- 海里とは?
- 海洋散骨は「何海里」沖で行うべきか?
- なぜ遠くの海域(多海里沖)で散骨するのか?
- どのようにして「海里数」を確認するのか?
海里とは?

海里(かいり)とは
海上や航空で使われる距離の単位
1海里=約1.852km
地球1周(緯度360度)を21,600分割した1分にあたる距離
陸から何km離れているかの目安
海里 | キロメートル | 距離感のイメージ |
---|---|---|
1海里 | 約1.85km | 沖の浅瀬〜湾内程度 |
3海里 | 約5.56km | 一般的な釣り船が出る距離 |
7海里 | 約13km | 遠目に陸地が見えるかどうかのライン |
海洋散骨は「何海里」沖で行うべきか?
法律上の定め:明確な海里数の規定はなし
日本では「節度をもって行われる限り、散骨は違法ではない」という立場(厚生労働省)。
ただし、公衆衛生や周辺住民の感情、漁業・観光業への配慮が求められます。
実務上の慣習:3~7海里が一般的
海域 | 散骨に出る距離の目安 |
---|---|
東京湾・大阪湾 | 7海里(約13km)以上沖が望ましい |
日本海・太平洋側の開けた海域 | 3〜5海里以上でも可 |
離島・観光地付近 | できるだけ遠く、安全なポイントを選定 |
散骨業者が守る基準例
7海里沖:都心湾岸地域(住民感情・密集度を配慮)
3海里沖:地方港や漁業圏外で許可されたエリア
2海里未満:基本的に避けるべき(臭気・風評被害のリスク)
なぜ遠くの海域(多海里沖)で散骨するのか?

主な理由と背景
衛生的・視覚的配慮
→ 遺骨は粉骨していても心理的抵抗があるため漁業権・観光エリアへの影響を避けるため
→ 地元住民や漁協への配慮が求められる自然に還る時間を確保するため
→ 沖合の海流に乗って広く分散されることが理想天候や潮流、安全性の確保
→ 安定した水深・流れのある沖が最適
どのようにして「海里数」を確認するのか?
方法1:海図アプリやGPS航法ソフトを利用
【おすすめアプリ】Navionics、Google Earth Pro(測定ツールあり)
方法2:海上保安庁や港湾管理事務所の指導を仰ぐ
地域によっては散骨を想定したガイドラインあり
「何海里以上で実施」のような慣例を教えてくれる場合も
方法3:信頼できる業者に依頼する
経験豊富な業者は、地域の慣習や航行ルールを熟知
よくある質問
海洋散骨は法律違反になりませんか?
一般的には「節度をもって行う限り、違法ではない」とされています。ただし、常識的配慮が必要です。
散骨場所はどのように選べばいい?
地元の漁業関係者や港湾局とトラブルが起きないよう、「沖合で航行の少ないエリア」が好まれます。
距離が遠いと料金も高くなりますか?
はい、沖合に出るほど船の燃料・時間
まとめ
海洋散骨で「海里」を意識することが重要というのがお分かりいただけたと思います。
法律に具体的な「○海里以上」規定はないが、3〜7海里沖が一般的な基準であること。
陸地や漁場から十分に距離を取り、安全・衛生・感情面への配慮が大切であること。
自力での判断が難しい場合は、専門業者の判断を仰ぐのが安全であること。
これらを覚えておくと良いでしょう。