「海洋散骨って実際どれくらいの人が選んでいるの?」
「増えているって聞くけど、具体的な数字は?」
近年注目を集める自然葬の一つ「海洋散骨」。
この記事では、実際の件数や推移、背景にある社会的要因をわかりやすく解説します。
◎この記事でわかること◎
- 海洋散骨の件数は増えている?
- 海洋散骨の件数が増えている背景とは?
- 地域別の海洋散骨傾向
- 海洋散骨の今後の見通し
- 海洋散骨の件数から見えてくる「選ばれる理由」
海洋散骨の件数は増えている?

年々増加傾向にある海洋散骨
厚生労働省が公表する火葬統計や業界団体の報告によると、海洋散骨の件数は年々増加傾向にあります。以下は主なデータです。
年度 | 推定散骨件数(全国) | 備考 |
---|---|---|
2010年 | 約500件 | 海洋散骨サービスが全国的に広がり始めた時期 |
2015年 | 約3,000件 | 大手散骨業者の参入が進む |
2020年 | 約9,000〜10,000件 | コロナ禍で非接触型の供養方法として注目 |
2023年 | 約13,000件以上 | 墓じまい需要と高齢化の影響 |
※出典:一般社団法人日本海洋散骨協会、業界報告資料、関連報道より推定
散骨件数が増えている背景とは?
墓じまい・後継者不在によるニーズ増
少子化や核家族化の影響で、「お墓を守る人がいない」「お墓を継がせたくない」と考える人が増えています。その代替手段として、墓地を必要としない海洋散骨のニーズが高まっています。
自然志向と価値観の多様化
「自然に還りたい」「宗教にとらわれない自由な形で旅立ちたい」といったライフスタイルや価値観の変化も、海洋散骨の普及を後押ししています。
葬儀費用を抑えたいという現実的な声
お墓の建立・維持には多額の費用がかかる一方、海洋散骨は比較的リーズナブルで経済的な選択肢としても注目されています。
地域別の海洋散骨傾向

実施が多いエリア
首都圏(東京湾):都心からのアクセスが良く、需要も多い
関西圏(大阪湾、瀬戸内海):人口密集地に近く利便性が高い
九州・沖縄地方:自然葬文化に寛容な風土も影響
地方にも広がる動き
最近では、地方都市でも小規模な海洋散骨サービスを提供する事業者が増えており、都市部に限らず全国的に広がりを見せています。
海洋散骨の今後の見通し
2030年には年間3万件超も!
日本の高齢化は今後さらに進み、死亡者数もピークを迎えることが予測されています。それに伴い、海洋散骨の需要も今後さらに拡大していくと見込まれます。
【推計】2030年には海洋散骨件数が年間30,000件超に達する可能性も
現在、国内での年間死亡者数は約140万人。仮にそのうち2〜3%が海洋散骨を選ぶと、年間3万件以上という規模になります。
海洋散骨の件数から見えてくる「選ばれる理由」
管理費ゼロでお墓不要
宗教に縛られない自由な弔い方
子どもに負担をかけない合理的な選択
海が好きだった故人にぴったりの送り方
「件数の増加」は、単なる数字ではなく、今の時代の“供養のかたち”の変化を示しています。
まとめ
海洋散骨はまだ主流とは言えませんが、着実に件数が増え、多くの人に支持されている供養方法です。統計データは、その信頼性と安心感を裏付けるものでもあります。
「まだ少数派だから…」と不安になる必要はありません。自分や家族に合った形で、後悔のない供養を選びましょう。