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海洋散骨、海洋葬のことが全部わかる

海洋散骨と相続税の関係とは?注意点とよくある疑問を解説

近年、海洋散骨を選ぶ方が増えています。自然に還る葬送方法として注目されていますが、同時に気になるのが「相続税との関係」です。
お墓や永代供養と異なり、散骨は物理的に墓地を持たないため、相続税の対象となる財産が減るのか?費用は相続税の控除対象になるのか? といった疑問を持つ方も少なくありません。

ここでは、海洋散骨を選んだ場合の相続税への影響や注意点を詳しく解説します。

◎この記事でわかること◎

  • 海洋散骨とは
  • 海洋散骨そのものは相続税に関係ある?
  • 相続税と関係する可能性があるポイント
  • 千葉や東京湾での海洋散骨と相続税の実務例
  • 海洋散骨と相続税に関するよくある質問

海洋散骨とは

海洋散骨は、遺骨を海へ撒くことで故人を自然へ還す葬送方法です。

  • お墓を持たない自由な供養

  • 宗派や宗教にとらわれないスタイル

  • 「自然に還る」という安心感

海洋散骨そのものは相続税に関係ある?

結論から言えば、海洋散骨を行うこと自体が相続税の課税対象にはならないと言えます。
相続税は「被相続人(亡くなった方)が遺した財産」に課税されるものであり、散骨は葬送の方法であるため、直接的には関係しません。

相続税と関係する可能性があるポイント

散骨費用は相続税の控除対象になるか?

海洋散骨にかかる費用(船のチャーター費用・粉骨費用・代行費用など)は、葬式費用として相続税の計算上、控除できる場合があります。
相続税法では「葬式費用」は課税対象の財産から差し引けるため、散骨費用がこれに含まれるかどうかがポイントになります。

  • 控除可能とされる費用の例

    • 火葬・埋葬・納骨にかかる費用

    • 葬儀に直接必要な費用(式場、僧侶、花、飲食代など)

  • 控除が難しいとされる費用

    • 香典返し

    • 初七日・一周忌などの法要費用

海洋散骨は「納骨に準じる行為」と見なされるケースが多いため、散骨費用は葬式費用として控除可能である可能性が高いと考えられます。ただし税務署の判断による部分もあるため、事前に税理士へ相談することをおすすめします。

墓地や墓石を購入しないことによる影響

一般的なお墓を購入すると数十万~数百万円かかりますが、墓地や墓石は相続税の課税対象外とされています。
一方で、海洋散骨を選んだ場合はお墓を持たないため、課税対象から除外される財産がそもそも存在しないことになります。

つまり、

  • 墓地・墓石 → 相続税の課税対象外

  • 海洋散骨(墓地不要) → 財産が残っていれば課税対象

という違いがあるため、結果的に散骨を選ぶと、残された財産が相続税の対象になりやすいという点に注意が必要です。

遺言書との関係

故人が「自分の遺骨は海洋散骨してほしい」と遺言で指定している場合、遺族はその意思に従うのが基本です。
ただし、散骨費用の負担について明確に記していないと、相続人同士でトラブルになることもあります。
遺言書に「散骨費用は相続財産から支出する」旨を明記しておくと安心です。

千葉や東京湾での海洋散骨と相続税の実務例

例えば、千葉県で海洋散骨を行ったケースを想定すると:

  • 散骨費用:20万円

  • 粉骨費用:5万円

  • 合計:25万円

この場合、相続税の計算上「葬式費用」として25万円を控除できる可能性があります。
ただし、散骨後の会食費用や返礼品代は控除対象外になるため注意が必要です。

海洋散骨と相続税に関するよくある質問

散骨にかかった費用を領収書なしで控除できますか?

 控除を受けるためには、業者発行の領収書や明細を必ず保管しておきましょう。

散骨を選んだ場合、相続税額は安くなりますか?

基本的に税額は変わりません。ただし散骨費用分は控除できるため、その範囲で税額が下がる可能性はあります。

海洋散骨を行ったことを相続税の申告時に報告する必要はありますか?

 特別な報告は不要ですが、葬式費用として控除する場合は領収書を添えて申告します。

まとめ

  • 海洋散骨自体は相続税に直接関係しない

  • 散骨費用は「葬式費用」として控除できる可能性が高い

  • 墓地を購入しない分、非課税財産が減り、課税対象財産が多く残ることもある

  • 遺言書に散骨の希望と費用負担を明記しておくと安心

海洋散骨は自然に還る葬送方法として広がりを見せています。
しかし、相続税との関係について正しく理解しておくことが大切です。
不明点がある場合は、散骨業者だけでなく税理士に相談して進めると安心でしょう。