近年、自然に還る供養の一つとして「海洋散骨」を選ぶ方が増えています。しかし「実際にはどのような手順で行うのか」「事前にどんな準備が必要なのか」と不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、海洋散骨の手順をわかりやすく解説し、初めての方でも安心して準備できるようにまとめました。
◎この記事でわかること◎
- 海洋散骨の基本的な流れ
- 海洋散骨に必要な準備
- 散骨のスタイルと手順の違い
- 海洋散骨の注意点
- よくある質問
海洋散骨の基本的な流れ

一般的な海洋散骨は、以下のような手順で進められます。
業者やプランの選定
散骨専門業者や葬儀社に依頼するケースが多いです。
個人で行う場合も可能ですが、法律やマナーの知識が必要です。
遺骨の粉骨(パウダー化)
海洋散骨では遺骨を2mm以下のパウダー状にすることが必須です。
専門業者に依頼するか、粉骨サービスを利用します。
日程と場所の決定
東京湾、相模湾、瀬戸内海などが人気。
出港地・航行エリアを事前に決めます。
出港・献花・献酒
船に乗り込み、故人を偲ぶセレモニーを行います。
花びらや献酒を添えるケースもあります。
散骨の実施
粉骨した遺骨を海に撒きます。
波や風を考慮し、静かに散骨します。
黙祷・帰港
散骨の後、黙祷やお別れの言葉を捧げます。
船は出港地へ戻り解散となります。
海洋散骨に必要な準備
遺骨の粉骨
法律上、遺骨をそのまま撒くことは推奨されていません。粉骨することで以下が確保されます。
環境への配慮
船上での撒きやすさ
服装・持ち物
喪服ではなく、落ち着いた平服が一般的。
酔い止め、日焼け止め、飲み物などを準備すると安心です。
必要書類
火葬許可証や埋葬許可証の写しを求められることがあります。
業者によっては契約書や申込書も必要です。
散骨のスタイルと手順の違い
個別散骨
ご遺族だけで貸し切り船を利用する方式。
故人を中心にしたオーダーメイドのセレモニーが可能。
合同散骨
複数のご遺族が同じ船に乗り合わせる方式。
料金を抑えたい場合に選ばれる。
代理散骨
ご遺族が立ち会わず、業者に依頼して散骨を代行してもらう。
遠方の方や高齢の方に人気。
海洋散骨の注意点
法律上の位置づけ
海洋散骨は違法ではありませんが、「節度を持って行うこと」が前提です。
沿岸や漁場、海水浴場の近くでの散骨は避ける必要があります。
マナーと配慮
花は環境負荷を避けるため、生花の花びらのみを使用。
プラスチックや造花、紙類は持ち込まない。
費用の目安
個別散骨:15万円~30万円程度
合同散骨:5万円~15万円程度
代理散骨:3万円~10万円程度
よくある質問
海洋散骨はどこでもできるの?
公共の海であれば可能ですが、場所は制限されます。必ず業者に確認しましょう。
散骨した後にお墓は必要?
必要ありませんが、手を合わせる「拠り所」としてメモリアル碑や位牌を持つ方もいます。
どのくらい前に予約すべき?
春や秋のシーズンは混雑するため、1~2か月前の予約がおすすめです。
まとめ
海洋散骨は、自然に還る新しい供養の形として注目されています。手順自体はシンプルですが、以下がが大切です。
粉骨の準備
法律やマナーの理解
ご遺族に合った散骨スタイルの選択
しっかりと準備を行い、故人にふさわしい見送り方を選びましょう。