はじめに
長崎県は、全国でも有数の「海に囲まれた県」であり、五島列島・対馬・壱岐・佐世保湾・大村湾・長崎港 など、多彩な海域が広がっています。
そのため、海洋葬(海洋散骨)を希望する方が非常に多く、「景観の美しさ」「海の静けさ」「アクセスの良さ」の3拍子がそろった日本でも有数の海洋葬スポットとして知られています。
この記事では、長崎で海洋葬を行う場合の流れ・費用・注意点・よくある質問 を、海洋葬を初めて検討する方にもわかりやすく、詳しく解説します。
◎この記事でわかること◎
- 長崎で海洋葬が選ばれる理由
- 長崎での海洋葬の流れ
- 長崎の海洋葬の費用相場
- 長崎で海洋葬を行う際の注意点
- 長崎県内の主な出航エリア
- 海洋葬でできること・できないこと
- 海洋葬が向いている人の特徴
- よくある質問
長崎で海洋葬が選ばれる理由
長崎県で海洋葬が広く行われている理由は、地理・歴史・文化的背景にあります。
① 海に囲まれた地形で、散骨ポイントが豊富
長崎県の海岸線は日本一の長さを誇り、静かな湾内から外洋まで幅広いエリアで海洋葬が可能です。
佐世保湾 → 波が非常に穏やか
大村湾 → 湖のように静かで高齢者でも安心
五島列島 → 美しい外洋で、荘厳な自然に包まれる
長崎港 → アクセスが良く人気のエリア
どんな希望にも合わせやすいのが大きな強みです。
② 景観が非常に美しく「故人らしい旅立ち」ができる
透き通った海
多くの美しい島々
静かな水面
のどかな漁村の風景
海と空の開放感
「最後は故郷の海へ…」という希望から長崎の海を選ぶ人は多いです。
③ 送骨(郵送)サービスが充実
長崎市内だけでなく、五島・壱岐・対馬など遠隔地の方でも利用しやすいよう粉骨や郵送サービスが整っています。
長崎での海洋葬の流れ
海洋葬は、粉骨したご遺骨を海へと還す自然葬です。
長崎県での一般的な流れはこちらです。
STEP1 問い合わせ・日程の相談
希望エリア(佐世保、大村湾、五島など)
予算
乗船人数
スケジュール
これらをもとに最適なプランを提案します。
STEP2 遺骨の粉骨(パウダー化)
散骨は 2mm以下のパウダー状 にする必要があり、長崎県内外からの郵送による粉骨にも対応しています。
STEP3 当日の乗船・説明
出港前に以下の説明があります。
当日の散骨の流れ
安全面の案内
献花・献酒の方法
上陸不可のルール説明
高齢者でも安心して乗船できるよう丁寧なサポートが行われます。
STEP4 出航〜散骨ポイントへ移動
長崎の散骨ポイントは海が非常に静かで、船酔いが心配な人でも安心しやすい環境です。
STEP5 海洋葬(散骨セレモニー)
一般的には以下のように進行します。
散骨用の専用袋からご遺骨を献骨
生花を手向ける
献酒・献水
黙祷
故人へのメッセージ
船上での記念写真(希望者のみ)
宗教色は薄く、自由度の高いお別れができます。
STEP6 帰港・証明書のお渡し
後日、
散骨証明書(緯度・経度)
船上写真
などが送付されます。
長崎で行う海洋葬の費用相場
長崎県は 全国平均より比較的リーズナブル な傾向があります。
| プラン名 | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 合同散骨プラン | 約10万〜20万円 | 他家と合同で実施。費用を抑えたい方向け。 |
| チャーター散骨プラン | 約20万〜30万円 | ご家族のみで貸切。セレモニー演出自由。 |
| 代理散骨プラン | 約3万〜5万円 | ご遺族が乗船せず、業者が代行して散骨。 |
| ペット同乗散骨プラン | 約8万〜20万円 | ご家族の遺骨とペットを一緒に散骨可能。 |
※船の規模、乗船人数、オプション(献花・写真撮影・読経など)により変動します。
長崎で海洋葬を行う際の注意点
長崎ならではの特徴も踏まえ、注意点をまとめました。
① 天候による出航中止が起こりやすい地域
外洋(五島エリアなど)は天候の影響を受けやすく、
延期が発生することがあります。
② 台風シーズン(7〜9月)は延期リスクが高い
長崎は台風の通り道になることが多く、日程に余裕が必要です。
③ 散骨場所は自由に選べない場合がある
海上保安庁の安全指導により
航路付近・漁港周辺・養殖場付近は避ける必要があります。
④ 長時間の乗船になる場合がある
五島など外洋の場合は
行き帰りで2〜3時間以上かかることも。
⑤ 生花は花びらのみ(環境配慮)
花束やラッピング付きは不可。
長崎県内の主な出航エリア
長崎は散骨ポイント選択肢が豊富です。
【長崎市】長崎港
アクセス抜群で人気No.1。
【佐世保市】佐世保港
軍港・湾内のため、波が非常に穏やか。
【大村市】大村湾
湖のように静かで、体調が心配な方でも安心。
【五島市】福江港
透明度の高い海での外洋散骨。美しい景観が人気。
【壱岐・対馬】
自然豊かな外洋散骨が可能。
海洋葬でできること・できないこと
■ できること
散骨用の花びら献花
手紙(溶解性素材)
献酒・献水
音楽を流す(スピーカー対応)
遺骨の一部を手元供養として残す
■ できないこと
遺骨を粉骨せずに散骨
花束・不溶解物の投下
遺骨を複数袋で大量に投下
港湾内や禁止エリアでの散骨
海洋葬が向いている人の特徴
お墓に入りたくない・墓じまいを検討している
自然の中で見送られたい
家族に負担をかけたくない
故郷・思い出の海へ還りたい
費用を抑えながら心のこもった供養がしたい
宗教色の薄い葬送方法を望んでいる
よくある質問
当日の服装は喪服ですか?
喪服は不要。動きやすい服・スニーカーなどが最適です。
高齢者でも乗船できますか?
はい。大村湾や佐世保湾など、波が非常に静かなエリアは安心です。
雨の日はどうなりますか?
小雨は出航可能ですが、強風・高波は延期になります。
遺骨を全部散骨しなくてもいいですか?
一部を残して手元供養にできます。
船酔いが心配です…
大村湾・佐世保湾なら外洋よりはるかに揺れが少なく安心です。
まとめ
長崎の海洋葬は「静かな海」と「美しい景観」が最大の魅力
長崎で海洋葬を行うメリットは次の通りです。
- 海域が豊富で、希望に合わせて場所を選べる
- 湾内は非常に穏やかで高齢者に優しい
- 五島・壱岐など外洋の美しい海も選択可能
- 全国平均より費用が抑えめ
- 景観が美しく、旅立ちにふさわしい
長崎は「日本の中で最も海洋葬に適した地域」と言っても過言ではありません。
海が好きだった方を見送るには、これ以上の場所はないでしょう。

