自然志向の供養が広がる時代
近年、日本では「お墓を持たない供養」のスタイルが急速に広がっています。
少子高齢化や後継者不足、墓じまいの増加に伴い、従来のお墓以外の方法を選ぶ人が増加。
その中でも注目されているのが 海洋散骨 と 樹木葬 です。どちらも「自然に還る供養」を実現する方法ですが、それぞれ特徴やメリットが異なります。この記事では両者の違いや選び方を詳しく解説します。
◎この記事でわかること◎
- 海洋散骨とは
- 樹木葬とは
- 海洋散骨と樹木葬の比較
- 共通する魅力:「自然に還る」供養
- 選び方のポイント
- 海洋散骨と樹木葬を組み合わせるケースも
海洋散骨とは

海洋散骨の定義
海洋散骨とは、火葬後の遺骨を粉末状にし、海へ撒くことで故人を自然に還す供養方法です。
特徴
海という大自然に還れる
お墓を持たないため管理不要
費用は10万〜30万円程度と比較的安価
遠方の親族にも分骨や代行サービスで対応可能
海洋散骨が向いている人
「自然に還りたい」という希望を持つ方
後継ぎやお墓の管理に不安がある方
海が好きだった方
樹木葬とは
樹木葬の定義
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とし、遺骨を樹木の根元や区画に埋葬する方法です。
特徴
山林や専用霊園の区画に埋葬
墓石を使わず自然の中で眠れる
費用は30万〜100万円程度と幅広い
永代供養付きのプランが多く、無縁になる心配が少ない
樹木葬が向いている人
「お墓を持ちたいが自然に近い形がよい」という方
故郷の土地に根ざした供養を望む方
定期的にお参りに行きたい方
海洋散骨と樹木葬の比較

項目 | 海洋散骨 | 樹木葬 |
---|---|---|
実施場所 | 海 | 山林・霊園 |
費用目安 | 10〜30万円 | 30〜100万円 |
お参り | 海に出向く必要あり | 墓地や霊園でお参り可能 |
管理 | 不要 | 霊園により管理あり |
宗教性 | 宗派不問 | 永代供養付きが多い |
環境への影響 | 海域選びに配慮 | 土地の保全や植栽に配慮 |
共通する魅力:「自然に還る」供養
海洋散骨と樹木葬は一見異なる方法です。
しかし、共通点として 「自然に還る」「次世代に負担を残さない」 という価値観を大切にしています。
どちらも現代社会のニーズに合った供養であり、今後ますます普及していくと考えられます。
選び方のポイント
お参りのしやすさ
海洋散骨は「お参りの場所が海になる」ため、墓参りの習慣を重視する人には不向きな場合があります。
樹木葬は「霊園での墓参りが可能」なため、従来の供養に近い形を求める方におすすめです。
費用と管理
経済的な負担を軽くしたいなら海洋散骨が有利。
「管理付きのお墓」を残したいなら樹木葬が適しています。
故人や家族の希望
海や自然への思い入れが強い場合は散骨。
家族で集まってお参りを続けたい場合は樹木葬。
海洋散骨と樹木葬を組み合わせるケースもあり
最近では「樹木葬を契約し、一部を海洋散骨する」というハイブリッド型も増えています。
これにより、自然への還元と家族のお参りの両立が可能になります。
まとめ
海洋散骨と樹木葬は、ともに現代社会で注目される「自然に寄り添う供養方法」です。
海洋散骨:自由で管理不要、費用を抑えられる
樹木葬:自然志向とお参りの両立が可能
どちらを選ぶかは、故人の希望や家族の考え方次第です。
大切なのは「残された人が心から納得できる供養」を選ぶこと。
ご家族でよく話し合い、最適な方法を決めていきましょう。