大切な家族の一員であるペットが亡くなった後、その供養の方法に悩む飼い主は少なくありません。火葬や納骨に加え、近年では「海洋散骨」という自然に還す方法を選ぶ人が増えています。
この記事では、犬や猫をはじめとする動物の遺骨を対象とした海洋散骨について、流れや費用、注意点を詳しく解説します。
◎この記事でわかること◎
- ペットの海洋散骨は可能なのか
- ペットの海洋散骨を選ぶ理由
- ペット海洋散骨の流れ
- 費用の目安
- 注意点
- ペットと飼い主の「合同散骨」について
ペットの海洋散骨は可能なのか
結論から言えば、ペット(動物)の遺骨も海洋散骨することは可能です。
ただし、以下の点に注意する必要があります。
法律上、人間と動物の遺骨を同じ扱いにする規定はない
一般的には、ペット専門の散骨業者やペット葬儀社が対応
人間とペットの遺骨を同じ海域で散骨できる場合もあるが、同一の式では不可の場合が多い
そのため、依頼する業者に「動物の散骨に対応しているか」を必ず確認しましょう。
ペットの海洋散骨を選ぶ理由
多くの飼い主がペットの海洋散骨を希望するのには、以下のような理由があります。
自然に還したい:海に眠ることで命の循環を感じられる
お墓の維持が不要:管理費や墓地の確保がいらない
思い出の海へ還したい:散歩した海岸や旅行先の海とつながりを感じられる
自宅に骨壷を置いておくのがつらい:気持ちの整理がつきやすい
ペット海洋散骨の流れ
人間の散骨と大きな違いはありませんが、ペットならではの配慮もあります。
火葬
まずペット葬儀社や動物霊園で火葬します。粉骨が必要になるため、必ず火葬後の遺骨を用意します。
粉骨
散骨では遺骨をパウダー状に粉骨する必要があります。粒が大きいままだと海に還りにくいためです。
散骨方法の選択
合同散骨:他のペットと一緒に散骨される。費用が安め。
個別散骨:自分のペットだけで行う。立会い可能な場合もあり。
代行散骨:業者が代わりに散骨してくれる。遠方の方に便利。
海洋散骨の実施
船で沖に出て、遺骨を海へ散骨します。花びらや献酒を添えることも可能。
費用の目安
ペットの海洋散骨は、人間に比べて比較的安価です。
| 合同散骨 | 1万5千円〜3万円程度 |
| 個別散骨 | 5万円〜10万円程度 |
| 代行散骨 | 2万円〜4万円 |
※費用は業者や地域によって異なります。
注意点
動物の海洋散骨を検討する際は、次の点に気を付けましょう。
人間とペットを同時に散骨することは原則不可
散骨海域のルールを守ること:漁場や海水浴場に近い場所では実施できない
粉骨は必須:環境への配慮から2mm以下に砕くのが一般的
手続き不要だが業者に依頼するのが安心:個人でも可能だが、トラブル防止のため専門業者に依頼するのが望ましい
ペットと飼い主の「合同散骨」について
一部の業者では、人間の遺骨とペットの遺骨を「合同散骨」できるプランを提供しています。
ただし、法律や宗教的な観点から制限がある場合も多く、希望する場合は必ず事前に相談する必要があります。
まとめ
ペットの海洋散骨は、大切な家族である動物を自然に還す供養の形として注目されています。
火葬後に粉骨し、専門業者に依頼することで安心して行うことができます。費用や方法も選べるため、飼い主の想いに合わせた供養が可能です。
海とつながる散骨は、ペットとの思い出を大切にしながら前に進むための一歩となるでしょう。

