近年、自然に還る供養の形として「海洋散骨」「海洋葬」といった言葉を耳にする機会が増えました。
しかし、この2つは同じ意味と考えられがちですが、実際には少し違いがあります。
この記事では、海洋散骨と海洋葬の違いや、流れ、費用、注意点などをわかりやすく解説します。
◎この記事でわかること◎
- 海洋散骨とは
- 海洋葬とは
- 海洋葬(海洋散骨式)の流れ
- 費用の目安
- 海洋葬を選ぶメリット
- 注意点
- 海洋散骨と海洋葬、どちらを選ぶべき?
海洋散骨とは
海洋散骨とは、火葬した遺骨を粉末状(粉骨)にし、海へ撒いて自然に還す葬送方法のことです。
墓地や納骨堂を必要とせず、自然に還すシンプルな供養
遺族の立会いが可能なケースと、業者が代行するケースがある
法律上禁止されてはいないが、節度を持って行うことが求められる
海洋葬とは
海洋葬とは、海洋散骨を「儀式」として執り行う形を指します。
散骨を行う前後にセレモニーを取り入れる
船をチャーターし、僧侶や司会者による読経や献花を実施する場合もある
家族葬やお別れ会の延長として選ばれることが多い
つまり、「海洋散骨」=遺骨を海に撒く行為、「海洋葬」=セレモニーを伴う海上での葬儀と理解するとわかりやすいでしょう。
海洋葬(海洋散骨式)の流れ
海洋葬を選ぶ場合、一般的には以下の流れで行われます。
出港前の打ち合わせ
集合し、式の流れや注意事項を確認します。
乗船・出港
遺族や参列者が船に乗り込み、沖合へ向かいます。
海洋葬セレモニー
僧侶による読経や黙祷
故人との思い出を語る時間
音楽を流すなどオリジナル演出も可能
散骨の実施
遺骨を粉骨したものを海へ撒きます。花びらや献酒を添えることも一般的です。
献花・献酒
散骨地点に花や酒を捧げ、しばし故人を偲びます。
帰港
散骨地点を地図に記録し、後日「散骨証明書」を発行してくれる業者もあります。
費用の目安
海洋散骨・海洋葬の費用はプランによって幅があります。
| 代行散骨(セレモニーなし) | 2万円〜5万円程度 |
| 合同散骨(他家と一緒に実施) | 5万円〜10万円程度 |
| 個別散骨(貸切船で実施) | 15万円〜30万円程度 |
| 海洋葬(セレモニーあり) | 20万円〜50万円程度 |
オプションで献花、僧侶の読経、映像撮影などを追加すると、費用はさらに上がる傾向があります。
海洋葬を選ぶメリット
自然に還る供養ができる
故人の希望や「海が好きだった」という思いを叶えられる。
お墓の管理が不要
墓地や納骨堂の維持費がかからない。
家族の負担を軽減できる
維持管理の手間がなく、後継者問題にも対応できる。
オリジナリティのあるお別れが可能
小規模でアットホームな雰囲気の中、自由に演出できる。
注意点
海洋散骨・海洋葬を行う際には、次の点に注意が必要です。
遺骨は必ず粉骨処理(2mm以下のパウダー状)にする
海水浴場や漁場の近くでは散骨できない
法律上の規制はないが、節度を持ち環境に配慮することが求められる
事前に親族間でよく話し合い、理解を得ておくことが重要
海洋散骨と海洋葬、どちらを選ぶべき?
シンプルに自然に還したい → 海洋散骨(代行や合同プラン)がおすすめ
儀式としてしっかりお別れしたい → 海洋葬(セレモニーあり)がおすすめ
予算や家族の希望に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
「海洋散骨」と「海洋葬」は似ているようで少し異なる概念です。
海洋散骨=遺骨を海に撒く供養の方法
海洋葬=散骨にセレモニーを加えた葬儀スタイル
どちらを選ぶ場合も、専門業者に相談することで安心して進められます。
大切なのは、故人や家族の想いを尊重し、心を込めたお別れの時間を持つことです。

