Skip to main content Scroll Top

海洋散骨、海洋葬のことが全部わかる

海洋葬は法律的に問題ない?違法にならない条件・関連法令・注意点を徹底解説

「海洋葬は本当に合法なのか?」
「勝手に海へ散骨しても大丈夫?」
「法律違反にならない条件を知りたい」

海洋葬への関心が高まる一方で、法律面の不安を抱える方は少なくありません。
このページでは、「海洋葬 法律」というキーワードで検索する方に向けて、日本の法制度における位置づけ、違法にならないための条件、関係する法律、よくある誤解をわかりやすく解説します。

◎この記事でわかること◎

  • 海洋葬は法律的に認められているのか
  • 海洋葬に直接関係する法律はある?
  • 「墓地、埋葬等に関する法律」と海洋葬
  • 刑法との関係|死体遺棄罪にならない理由
  • 環境・海洋関連法との関係
  • 違法にならない海洋葬の条件とは
  • 自分で散骨する場合の法律リスク
  • 海外での海洋葬と日本の法律
  • トラブル事例と法的に注意すべき点
  • よくある質問

海洋葬は法律的に認められているのか

結論から言うと、海洋葬は日本の法律で「禁止」されていません。

ただし、

  • 明確に「許可する法律」があるわけでもなく

  • 一定の条件を守らないと「違法」と判断される可能性がある

という グレーゾーンを整理した“慣行上の合法行為” という位置づけです。

現在、日本では「節度をもって行われる散骨は、違法ではない」という考え方が、国・自治体・法曹界で共有されています。

海洋葬に直接関係する法律はある?

実は、日本には「海洋葬」や「散骨」を直接規定する法律は存在しません。

そのため、以下の法律との関係性で合法性が判断されます。

  • 墓地、埋葬等に関する法律

  • 刑法(死体遺棄罪)

  • 海洋汚染防止法

  • 自治体の条例・ガイドライン

これらを順番に解説します。

「墓地、埋葬等に関する法律」と海洋葬

墓地埋葬法とは?

正式名称は「墓地、埋葬等に関する法律」

この法律では、

  • 墓地以外への「埋葬」

  • 遺体や遺骨の埋設

を制限しています。

海洋葬は「埋葬」に当たる?

結論として、海洋葬は「埋葬」ではありません。

理由は、

  • 海に「埋める」のではなく

  • 遺骨を粉状にして「自然に還す」行為

と解釈されているためです。

そのため、墓地埋葬法の直接的な規制対象にはなりません。

刑法との関係|死体遺棄罪にならない理由

刑法190条には「死体遺棄罪」が定められています。

死体、遺骨を社会的に不適切な方法で放置・投棄した場合に成立します。

なぜ海洋葬は死体遺棄罪にならない?

以下の条件を満たす場合、「社会的相当性がある行為」として違法性が否定されます。

  • 故人の供養目的である

  • 遺骨を粉骨している

  • 節度をもって行われている

  • 周囲に不快感・迷惑を与えない

この考え方は、1990年代以降の法解釈・判例・行政見解で定着しています。

環境・海洋関連法との関係

海洋汚染防止法

海洋汚染防止法では、有害物質や廃棄物の投棄を禁止しています。

しかし、

  • 人の遺骨(粉骨済)

  • 自然分解される花

  • 環境配慮型の献花

については「廃棄物」とは扱われません。

注意点

  • 骨壺・金属・プラスチックを海へ投棄 → 違法

  • ビニール袋のまま散骨 → 違法の可能性あり

違法にならない海洋葬の条件とは

以下を守ることが、法律上・社会通念上の必須条件です。

① 遺骨は必ず粉骨する

  • 目安:2mm以下

  • 原型が残る状態はNG

② 節度をもって行う

  • 生活海域(海水浴場・漁港)を避ける

  • 周囲の目につく場所で行わない

③ 環境に配慮する

  • 自然に還る献花のみ使用

  • ゴミを海に残さない

④ 目的は「供養」であること

  • 廃棄目的・嫌がらせ目的は完全にNG

自分で散骨する場合の法律リスク

個人で海洋葬を行うこと自体は違法ではありませんが、以下のリスクがあります。

  • 粉骨が不十分

  • 散骨場所の選定ミス

  • 漁業関係者とのトラブル

  • 通報・誤解による警察対応

そのため、法律リスク・トラブル回避の観点から、専門業者に依頼するケースが圧倒的多数です。

海外での海洋葬と日本の法律

海外(ハワイ・グアム・パラオなど)で行う場合は、

  • 現地の法律

  • 日本への遺骨持ち出し・持ち帰り手続き

の両方を確認する必要があります。

特に、

  • 粉骨の有無

  • 税関・航空会社の規定

は国ごとに異なるため、海外対応実績のある業者選びが重要です。

トラブル事例と法的に注意すべき点

実際に起きやすいトラブルは以下です。

  • 海水浴場近くで散骨し苦情

  • 粉骨不十分で遺骨が浮遊

  • 漁業関係者からの抗議

  • 無許可の港使用

これらはすべて、法律違反というより「配慮不足」から問題化しています。

よくある質問

海洋葬は違法ですか?

いいえ。一定の条件を守れば違法ではありません。

許可や届け出は必要?

原則不要ですが、港の使用には管理者の許可が必要な場合があります。

勝手に海に撒いてもいい?

→ 法律上は可能ですが、トラブル防止のため専門業者推奨です。

違反するとどうなる?

内容によっては死体遺棄罪や環境法違反に問われる可能性があります。

まとめ

法律を正しく理解すれば海洋葬は安心して選べる

海洋葬は、法律で禁止されている行為ではありません。

ただし、

  • 粉骨

  • 節度

  • 環境配慮

  • 社会的マナー

を守ることが大前提です。

重要ポイントまとめ

  • 海洋葬を直接禁止する法律はない

  • 墓地埋葬法・刑法・環境法との整合性が重要

  • 正しい方法なら合法

  • 不安があれば専門業者に相談するのが安心

法律を正しく理解し、故人の想いと社会への配慮を両立させることで、海洋葬は安心して選べる供養の形となります。